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釜山入港の海自護衛艦「旭日旗」に韓国メディアはなぜ静観?
海上自衛隊の護衛艦が「旭日旗」を掲揚したまま、5月に韓国・釜山港に入った。近年の韓国では旭日旗への反発が強いのだが、なぜか韓国メディアの扱いは拍子抜けするほど落ち着いていた。旧知の国際政治学者にそれを話すと、「そうなの? てっきり大騒ぎしてるんだと思った」という反応が返ってきた。どうしてなのか、色々な人に聞いてみた。
主要紙は1面掲載や社説批判なし
護衛艦「はまぎり」が自衛艦旗である旭日旗をはためかせて釜山港に入ったのは5月29日だ。韓国の野党「共に民主党」は「国民の自尊心を踏みにじった」などと反発し、国際的な慣例だと問題視しない尹錫悦政権を攻撃した。ただ主要紙を見ると、1面に掲載したり、社説で入港を批判したりした新聞は皆無だった。むしろ中道系とされるソウル新聞の野党批判が目に付いたほどだ。ソウル新聞は社説で「多国籍連合訓練や観艦式で各国の艦艇が軍や機関を象徴する旗を掲げるのが国際慣例だと知らないはずのない民主党による習慣的な『旭日旗攻勢』には、もう飽き飽きした」とまで書いた。尹政権支持を打ち出す保守系の新聞ならともかく、それ以外の新聞がここまで書くのはかなり珍しい。
護衛艦の釜山入港を注目したのだが、韓国メディアの反応は前述の通り、おとなしいものだった。在京韓国大使館での勤務経験を持ち、今も対日外交に関わる韓国の外交官に聞いてみると、彼も「世論の反応が昔と違うので驚いた」のだという。彼が理由として挙げたのは、安全保障環境の変化だった。南北融和ムードのあった18年とは違い、北朝鮮の挑発がエスカレートする中では「韓米日連携が重要だ」という考えが受け入れられやすいのではないかという。
やはり対日外交に関わる別の外交官も、韓国メディアの報道ぶりを意外だったと語る。「今までに何回も入港しているとか、旭日旗を問題にするのは韓国だけだという記事が多く出た。今までなら考えられなかった」からだ。背景については「文政権の反日が行き過ぎだったという意識もあるのではないか」と話した。
日韓関係に詳しいソウル大の南基正(ナム・キジョン)教授は「これまでに比べればニュースとしての重みが軽くなったように見える。『受け入れるべきだ』と主張する新聞のコラムも多くなった。
釜山入港の海自護衛艦「旭日旗」に韓国メディアはなぜ静観?
海上自衛隊の護衛艦が「旭日旗」を掲揚したまま、5月に韓国・釜山港に入った。近年の韓国では旭日旗への反発が強いのだが、なぜか韓国メディアの扱いは拍子抜けするほど落ち着いていた。旧知の国際政治学者にそれを話すと、「そうなの? てっきり大騒ぎしてるんだと思った」という反応が返ってきた。どうしてなのか、色々な人に聞いてみた。
主要紙は1面掲載や社説批判なし
護衛艦「はまぎり」が自衛艦旗である旭日旗をはためかせて釜山港に入ったのは5月29日だ。韓国の野党「共に民主党」は「国民の自尊心を踏みにじった」などと反発し、国際的な慣例だと問題視しない尹錫悦政権を攻撃した。ただ主要紙を見ると、1面に掲載したり、社説で入港を批判したりした新聞は皆無だった。むしろ中道系とされるソウル新聞の野党批判が目に付いたほどだ。ソウル新聞は社説で「多国籍連合訓練や観艦式で各国の艦艇が軍や機関を象徴する旗を掲げるのが国際慣例だと知らないはずのない民主党による習慣的な『旭日旗攻勢』には、もう飽き飽きした」とまで書いた。尹政権支持を打ち出す保守系の新聞ならともかく、それ以外の新聞がここまで書くのはかなり珍しい。
護衛艦の釜山入港を注目したのだが、韓国メディアの反応は前述の通り、おとなしいものだった。在京韓国大使館での勤務経験を持ち、今も対日外交に関わる韓国の外交官に聞いてみると、彼も「世論の反応が昔と違うので驚いた」のだという。彼が理由として挙げたのは、安全保障環境の変化だった。南北融和ムードのあった18年とは違い、北朝鮮の挑発がエスカレートする中では「韓米日連携が重要だ」という考えが受け入れられやすいのではないかという。
やはり対日外交に関わる別の外交官も、韓国メディアの報道ぶりを意外だったと語る。「今までに何回も入港しているとか、旭日旗を問題にするのは韓国だけだという記事が多く出た。今までなら考えられなかった」からだ。背景については「文政権の反日が行き過ぎだったという意識もあるのではないか」と話した。
日韓関係に詳しいソウル大の南基正(ナム・キジョン)教授は「これまでに比べればニュースとしての重みが軽くなったように見える。『受け入れるべきだ』と主張する新聞のコラムも多くなった。