【テルアビブ=福島利之】イランが13日夜から14日朝にかけて行ったイスラエルへの報復攻撃により、商都テルアビブ地域では3人が死亡、70人以上が負傷するなど、同地域は1948年の建国以来、最大規模となる損害を被った。鉄壁を誇るミサイル防衛網による「安全神話」が崩れた衝撃は大きく、がれきの積み上がる現場では、途方に暮れる住民の姿が目立った。
■がれきや割れたガラス、まるで大地震の後
テルアビブ南郊リション・レツィヨンの庭付き邸宅が並ぶ一角では14日、イランからのミサイルの直撃を受け、壁が崩れ、屋根が飛ばされた家が数十軒に上っていた。付近の道路には、がれきや割れたガラスが飛び散り、まるで大地震の後のようだった。
銀行員アレックス・ストルボルさん(60)は14日午前5時頃、自宅の地下にある防空壕(ごう)で妻と就寝中、爆音と窓ガラスが飛び散る音で跳び起きた。近所の家にミサイルが直撃したのだ。住民2人が死亡し、ストルボルさんの家も爆風で屋根が吹き飛ばされ、居間の壁が崩れた。
一命を取り留めたストルボルさんは「妻とともに生き残っただけ幸運だ」と語った。報復攻撃の脅威にさらされつつも、イスラエルのイランへの攻撃については「今、イランを攻撃しないと核兵器も持つことになる」と一定の理解を示した。
【日時】2025年06月15日(日) 09:12
【ソース】読売新聞オンライン