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1987年6月11日、巨人-中日戦。0対0のまま、試合は7回裏に入った。5回からマウンドに上がった中日・宮下昌己投手が二死から打席に迎えたのは、四番・クロマティ。宮下さんの投じた球は相手の背中に当たり、クロマティは「帽子を取って謝れ」とゼスチャーで要求した。帽子を取らなかった宮下さんに激高したクロマティはマウンドに駆け寄るや、頬に右ストレートを一発。33年経った今なお語り継がれる、大乱闘事件である。
パンチ 宮下君といえば、あのシーンがどうしても出てくるんだけど……。まさか仕事の名刺にあの写真を使っているとは思わなかったよ(笑)。あれにはどんな伏線があったの?
宮下 あの試合はね、2年目の桑田(桑田真澄)が初回からいいピッチングをしていたの。それでウチの落合(落合博満)さん、宇野(宇野勝)さんあたりがいいようにインコースを攻められて遊ばれていてね。そういう厳しいコースを攻められた野手は、自分とこのピッチャーにも「お前ももうちょっと厳しいところを攻めてくれよ」っていうバランス感覚を求めるんだよ。